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ゾウの利用と捕獲

前回の続き。

地球の歴史を1年のカレンダーとすると、人間が誕生したのは12月31日と例えられていて、人間はこの地球では実は新参者です。

その新参者の人間ですが、現在ではありとあらゆる生き物を利用・消費しています。

例えば前回も書いたゾウ。

アジアゾウはアフリカゾウより温和だとされ、古来から人間に使われてきました。

機械化以前は木材を運んだり、現在だと観光用にショーや背中に乗るツアーなど、が例として挙げられます。

しかしこれらのゾウはもともと野生のゾウとして生まれているため、常にコントロールが必要です。


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Responsible Travel (下記リンク)のサイトより


ゾウにとっては酷な(つまりゾウの「福祉」が損なわれる)トレーニングを経なければ「芸」をするまでには持っていけないと言われ、現在、欧米でもゾウの背中に乗るツアーをやめゾウを自然の生態で見るツアーを進めているところが増えてきています。

私自身の体験では、ずいぶん前ですがタイで調査のためにゾウのパフォーマンスを見に行ったことがありますが、「芸」をしているゾウは先がかぎ状になっている鉄の棒でコントロールされていました。

この棒ですが、英語では bullhook と呼ばれており、この使用の禁止を求める声は長くあります。




もともとの個体数がアフリカゾウよりもぐっと少ないアジアゾウ。

20世紀初頭には10万頭いたとされるアジアゾウは、過去30年間で半分以下にまで減ったと推定されています。

インド、スリランカ、バングラデシュ、ネパール、タイ、ビルマ、ラオス、カンボジア、インドネシア、マレーシア、ブータンや、お隣の国中国にも生息しています。

誰でも、これらの国の経済成長を考えると当然、生息地が減っていることは簡単に想像できるでしょう。

国際的な保護については、前回触れた絶滅危惧種の取引を規制する、「ワシントン条約」の付属書I(取引禁止)に、アジアゾウはアフリカゾウよりずっと早く、1972年に記載されました。

つまりここ40年以上、アジアゾウの(その部分・「派生物」(象牙)を含む)を輸出・輸入することは禁止されています。

そして各国政府もゾウを保護する政策は持っています。

しかし前回書いたように、ゾウの密猟は世界各地で起こっています(ただ、アジアゾウはもともとの個体数が少ないため、件数はアフリカゾウが多くなります)。

それとは別に、現在では使役という役割はなくなったゾウは人間のエンターテイメントのために利用されていますが、そのために野性から捕獲されてきています。

「え?人間が育てているゾウから生まれたのではないの?」と思われている方が多いと思いますが、実は、動物園などでの人工的環境での繁殖は、一部の種を除くと通常は非常に難しいのです。

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Elephants in zoos breed poorly or not at all. (ゾウは動物園では繁殖が非常に難しいか、まったくできない)
スミソニアン保全生物学研究所
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理由は、例を挙げると適合する繁殖相手を見つけることの難しさ(ゾウのように大きな動物は特に)、自然のサイクルと違う環境での不安定なバイオリズム、など様々です。

なので、一般の人が「おりこうさんね」「かわいい」と見ているゾウ達は、ほとんどが野生で捕獲されたゾウだと言われています。

もし、明らかに抵抗するゾウに縄をつけたり柵に押し込めたりする場面を見ることができると思う人は、 "captured wild elephant" とグーグルで検索してみてください。

一般人が撮ったもの含め、捕獲の場面を移した動画がたくさんあります。

人間との衝突が原因の一つとも言われますが、特にアジアの新興国でのゾウの生息地はどんどん狭くなっています。

そして、その原因は、そうした国の労働力や資源を使っている私達先進国にもあるのです。




メモ用参考リンク:

http://www.bornfree.org.uk/campaigns/zoo-check/captive-wildlife-issues/elephants-in-captivity/

http://www.bornfree.org.uk/fileadmin/user_upload/files/reports/INNOCENT_PRISONER.pdf

https://nationalzoo.si.edu/SCBI/ReproductiveScience/ElephantBreedRepro/

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