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商業利用される動物の最後

人間と暮らす動物にはいろいろな種類があります(生物種とは別の、利用の種類)。

その中に、家畜のように使役や食肉消費を目的としたカテゴリーとは別の、生きたままの商業的な利益を目的としたものもあります。

例えば、展示でいうと、動物園、水族館、サーカスなど比較的大きなスケールから、個人でやっている移動動物園や動物ショー、カフェやレストランの店内や屋外で飼っている小動物など(たまに大きな動物もいますが)。

昔の日本によくあった、イノシシ、タヌキ、シカ、そしてクマまでも(!)が、「お店の横の柵にいる」、いわゆる客寄せの動物たち。

危険動物の飼育が規制されるようになり少なくなりましたが、現在では「めずらしい」動物などがあります。

例えば、私の家からそう遠くないところに、ポニーが道路わきにいるお店があります。

または、ふくろう、フラミンゴなど、本来は人間と暮らすのにあまり適さないと考えられる動物も、見たことがあります。

その中には、その動物との本当の絆を築いて終生飼養を当たり前としている良心的なケースもあるでしょう。

しかし多くの場合、「商業的な価値」が薄れ、コストばかりかかるようになった動物を、それでも飼育していくケースは、特に大きな規模のビジネスでは稀だと言われています。

2013年、馬肉がマクドナルドのビーフバーガーや、大手スーパー Tesco の食肉売り場に混入したとして、ヨーロッパ(特にイギリス)では大きなスキャンダルとして報じられました。



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The Guardian紙より



もちろん、ビーフだと言っているのに馬肉であった、というのはサプライチェーン管理の視点からショッキングなことであり、これは刑事事件として取り上げられ、首相も最善を尽くして原因を究明する、という発言をしたほど大きな事件となりました。

また、ヨーロッパ人がショックを受けるのは感情的な部分で、馬肉の大部分が、競走馬含め何らかの形で人間と暮らしていた馬から来ていて、多くの場合「商業的な価値」が薄れた結果の産物である可能性があるからです。

World Horse Welfare のプレジデントであるイギリスのアン王女は、世話をきちんとされておらず放棄や餓死の可能性を持つ馬が国内に7,000頭いるという推定を受け、食肉として最後に売ることができるとわかれば、馬のオーナーがきちんと世話をするかもしれない、と発言しています。

馬の福祉チャリティの代表を務める人ですから当然、いろいろなことを知ってそのうえでの発言だと思われます。

つまり、動物が大きくなればその分、終生飼養はそのくらい難しい、ということなのです。

人間のために働いた動物たちの最後は、もっと広く知られるべきだと思います。

犬猫と同じですが、レスキューする個人の善意に頼るのは限界があります。

大元を考えてみんなで仕組みを変えること、これが動物に関して私が提案していきたいことです。

それには、知りたくなくても知らなくてはならないことが、たくさんあります。

もちろん、自分も含めて。


参考サイト


http://www.theguardian.com/uk/2013/feb/21/horsemeat-scandal-welsh-firm-recalls-burgers

http://www.mcdonalds.co.uk/ukhome/Aboutus/Newsroom/news_pages/mcdonalds_confirms_that_all_tests_for_horse_meat_are_negative.html

http://www.theguardian.com/uk-news/2013/oct/22/horsemeat-scandal-guardian-investigation-public-secrecy

象牙を焼く?

本当は別の動物のことを書くつもりでしたが、先週のこと、かなりショックな出来事がありました。

また象牙に関することですが、賛成・反対と意見が分かれる出来事です。

ケニア政府が105トンの象牙を、全世界の見守る中、焼却したのです。


01-kenya-ivory-burn.adapt.1190.1.jpg

http://news.nationalgeographic.com/2016/04/160430-kenya-record-breaking-ivory-burn/


実は象牙の償却は時々あっています。

アメリカや香港、そして最近では初めてマレーシアも、粉砕焼却を決めました。

ただ今回は105トンという最大の規模。

さらにサイの角1.35トンも。



私の知っている環境保護家達も、何人かその場に行っていたようで、FBにたくさん写真があがっていました。

この人達はもちろん、ケニア政府の象牙があるためにゾウが密猟されるのが問題である、という表明をサポートしに行っていましたが...

反対派の意見は、この、1億500万ドル(約160億ドル)の象牙を、焼いてしまうのではなく、国の発展やその他のことに使えたのではないか、というものが主です。

また、全世界にある象牙の在庫の約5%にあたるこの象牙を焼いてしまうことで、象牙の価格が高騰し密猟が増えるのでは、ということも心配されています。

しかしケニアのケニヤッタ大統領はきっぱり。

「将来世代の判断を待ちたい。きっと今日の我々の決断を評価してくれるはずだ。」



象牙の価値。ゾウの価値。

本来、もちろんゾウの価値の方がうんと高いはずなのです。

それは人間にとっての金銭的価値という意味も含まれます。

例えば観光。ケニアは野生動物の「非消費利用」を方針としています。

つまり、動物を殺すことなく、経済的に利用するというものです。

そしてもっと大きなレベルで、ゾウのような大きな動物が生態系に果たしている役割は、非常に重要です。

ゾウは自分の生息地を日々改変していると言ってもいいのですが、道を作る、地下水を掘る、低木をなぎ倒し草原を作る、といった、他の野生生物にとっても必要不可欠な環境を、ゾウが作っているのです。

それを、「きれいだから」「富の象徴だから」という理由で象牙を目当てにどんどん密猟していくのは、浅はかなことです。


個人的にはもちろん、象牙が焼かれるところを見るのは心穏やかではありません。

でも、ケニアの大統領のきっぱりとした方針を、羨ましく思います。

なぜならすでに書いたように、日本では象牙は合法です。

お店にあります。

手軽に買うことができます。

さらに、ヤフオクで違法象牙を取引していたことも最近メディアに出ました。

それなのに、象牙焼却を伝えるNHKのニュースはまるで他人事です。

「アフリカでは象牙の違法売買を目的にしたゾウの密猟が後を絶たず、毎年3万頭以上が犠牲になっているとみられています。」

どうしてそうなるのか?日本との関係は?

そこを報道しなければ、この報道には意味がありません。

ケニア政府のせっかくのアピールも、NHKにはスルーされてしまいました。

いえいえもしかしたら。

日本政府の「業界配慮」や「象牙をもっと活用して経済を活性化させよう」という密かな、だけど以前からコンスタントである方針が反映されているのかもしれません。

本当に、絶滅するかもしれない動物の派生物を使っている業界を存続させるために、さらに絶滅のリスクを加速させていいのでしょうか?




残念ですが今のところ、日本にいながら私たちができることは、自分で考えて行動するしかないのです。

象牙のことは、前回書いたように、ハンコ屋さんでリアクション、してみてください。

そしてこの秋にある国際会議(ワシントン条約締約国会議 COP17)で、日本政府がどういう行動を取るのか、見てみてください。



象牙はゾウのものです。

そして、象牙がなくても人間は生きていけます。




http://www.theguardian.com/environment/2016/apr/30/kenya-to-burn-largest-ever-ivory-stockpile-to-highlight-elephants-fate

http://news.nationalgeographic.com/2016/04/160430-kenya-record-breaking-ivory-burn/#close

http://www.asahi.com/articles/ASJ515HCYJ51UHBI00P.html




パーム油:野生生物のすみかを守るためには何をしたらよい?

前回、パーム油について、そのパーム油を生産するために奪われるゾウやオランウータンなどの野生生物について、そしてそのパーム油を消費している私たちの責任について書きました。


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インドネシア視察に行った時の写真。右がアブラヤシ農園に変わってしまった場所、左は熱帯雨林。サルたちは、アブラヤシ農園を訪れることはあるようですが、住んでいるのは左の熱帯雨林なんだそう。



これが、象牙であれば「象牙を買わない」ですむところ、ありとあらゆるものに使われるパーム油。

どうしたらいいのでしょう?

大きなレベルでは、国際的に、みんなでそういう事態を招かないパーム油を生産しようという取り組みはあります。

「持続可能なパーム油」の生産と利用を促進する、「持続可能なパーム油のための円卓会議」(RSPO:Roundtable on Sustainable Palm Oil)。

「誰がそんなことをしているの?」と言いますと、パーム油に関わっている業界、アブラヤシ農園の開発にお金を出す銀行や投資会社、そんな一連の動きを監視するNGO、などです。

世界のパーム油生産者の40%がこのRSPOに参加していると言われています。


具体的には、8つの原則を決め、それに基づいて43項目の基準を設け、この基準を満たすパーム油を、「RSPO認証パーム油」とすることができるという仕組みです。

ただし、オーガニック認証などとは違い、最終商品ではわかりづらいことも多いのが現状。

またこの基準について、森林破壊を止め切れていないなどいろいろと議論はあります。



一般消費者として、何ができるか?

パーム油の場合はあらゆるものに使われているので避けることはなかなか難しいですが、日常生活のレベルでは、やはり、大量生産・大量消費・低価格、のサイクルに No という必要があるかもしれません。

そして、無駄なものを買わない、ということ。

パーム油は加工食品に使われるので少し違いますが、例えば世界の食用作物のうち30-40%もが食べられずに廃棄されているという数字があります。


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これはこれで、一つの温暖化防止の阻害要因として問題視されていて、2030年までに食品の無駄を半分に減らすという Champion 12.3 という取り組みが最近生まれています。



大量に、安く、消費者に提供するために犠牲になるのはその他の大切なこと。

それは森林であり、野生生物の生息地であり、食へのありがたみでもあるかもしれません。

問題が大きいと、「何もできないから何もしない」となってしまいがちですが、知識と行動をつなぐことさえできれば、何でもできるのだろうと思います。

ただそれが、残念なことに特に日本では、あまりTVなどのメディアでは報道されません。

お土産の好きな日本人の私たち。

軽い気持ちで買っているお菓子のお土産、大丈夫かな?

そして相手は本当に、それを必要としているでしょうか?

そんな小さな行動から、見直してみるのはどうでしょう?


参考サイト:

http://www.wwf.or.jp/activities/resource/cat1305/rsportrs/

http://www.greenpeace.org/international/en/publications/Campaign-reports/Forests-Reports/Certifying-Destruction/

http://www.theguardian.com/environment/2016/apr/07/reducing-food-waste-would-mitigate-climate-change-study-shows

http://www.theguardian.com/sustainable-business/2016/jan/21/tesco-ceo-davos-food-waste-campaign-sustainable-development-goals-climate-change

お菓子と野生動物の関係

前回、ゾウの生息地が奪われているのは私たちの責任でもある、ということを書きました。

実は、日本人には(日本人にも、というべきか)とても関係が深いものです。



すでにご存知の方も多いと思いますが、アブラヤシというヤシ植物からとれるパーム油またはやし油。

2000年代の中ごろから、大豆に代わり食用油の生産量第一の原料となっています。

ありとあらゆるものに使われる、このパーム油。

加工食品(お菓子、マーガリン、即席めんなどなどなど)、洗剤、シャンプー、化粧品、紙製品

試しに、身近にある加工食品を見てみてください。

単に「植物油」とされていることも多いですが、「パーム油」と記載されていることも多いことがわかると思います。



パーム油は製造側では安定していて非常に使いやすいうえ、原産地側では成長が早く扱いやすいということで、需要と供給がマッチした商品であったのですが...

実は世界のパーム油のほとんどが、インドネシア(2840万トン)とマレーシア(1920万トン)で生産されています(RSPO ウェブサイトより)。

この2カ国で、世界中の人たちの加工食品、洗剤、シャンプー、化粧品、さらには安いティッシュなどを含む紙製品などなどなど、様々なものを賄うということは、それだけ巨大なアブラヤシ農園が必要だ、ということ。

両国で激しい伐採のためすでに劣化してきていた熱帯雨林も多く、あっという間にアブラヤシ農園に変わってしまいました。


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私がインドネシア視察に行った時の写真。上空から見ると、一面、アブラヤシ農園が広がっています。



なんと、現在この2カ国にあるアブラヤシ農園の55-60%が、もともと天然の熱帯雨林だったという推定があります(WWFウェブサイトより)。

そして、この二つの国の熱帯雨林というのは、世界でも有数の生物の多様性を誇っているのです。

つまり、その森に住んでいた生き物は、住むところを失ったということ。

もちろん、多くは死んでしまいますし、移動できる大型哺乳類も、火傷を負ったり、群れとはぐれてしまったり、野生では生きていけない状態になってしまいます。



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WWFウェブサイトより


この熱帯雨林の破壊の新たな原因としてのアブラヤシ農園と紙のための植林について、少し前に日本でも放映されたドキュメンタリー番組があります。

こちらのビデオですが、俳優のハリソンフォードがインドネシアのテッソニロを訪ね、温暖化の原因となっている森林破壊の現状をレポートしたものです。

残念ながら日本語の字幕付きのものが見つかりませんでしたが、最初の2分以内に焼き出され行き場のなくなったオランウータンの映像があります。

また、このテッソニロには、希少なスマトラゾウがいます。

野生での個体数はわずか2400~2800頭と推定され、2012年、とうとう、「近絶滅亜種」指定を受けました。

最も絶滅が心配されるレベルです。

そしてこのスマトラゾウの生息地は、消費国(つまり日本のような国)に、パーム油を使った製品や、安い紙製品を供給するためにさらにさらに狭くなっています。

日本語の参考サイト:http://www.wwf.or.jp/activities/2012/01/1041326.html


参考サイト:

http://greenpalm.org/about-palm-oil/where-is-palm-oil-grown-2

http://wwf.panda.org/what_we_do/footprint/agriculture/palm_oil/solutions/illegal_palmoil_tessonilo_sumatra_indonesia.cfm

http://wwf.panda.org/what_we_do/footprint/agriculture/palm_oil/environmental_impacts/forest_conversion/

http://www.iucnredlist.org/details/199856/0

ゾウの利用と捕獲

前回の続き。

地球の歴史を1年のカレンダーとすると、人間が誕生したのは12月31日と例えられていて、人間はこの地球では実は新参者です。

その新参者の人間ですが、現在ではありとあらゆる生き物を利用・消費しています。

例えば前回も書いたゾウ。

アジアゾウはアフリカゾウより温和だとされ、古来から人間に使われてきました。

機械化以前は木材を運んだり、現在だと観光用にショーや背中に乗るツアーなど、が例として挙げられます。

しかしこれらのゾウはもともと野生のゾウとして生まれているため、常にコントロールが必要です。


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Responsible Travel (下記リンク)のサイトより


ゾウにとっては酷な(つまりゾウの「福祉」が損なわれる)トレーニングを経なければ「芸」をするまでには持っていけないと言われ、現在、欧米でもゾウの背中に乗るツアーをやめゾウを自然の生態で見るツアーを進めているところが増えてきています。

私自身の体験では、ずいぶん前ですがタイで調査のためにゾウのパフォーマンスを見に行ったことがありますが、「芸」をしているゾウは先がかぎ状になっている鉄の棒でコントロールされていました。

この棒ですが、英語では bullhook と呼ばれており、この使用の禁止を求める声は長くあります。




もともとの個体数がアフリカゾウよりもぐっと少ないアジアゾウ。

20世紀初頭には10万頭いたとされるアジアゾウは、過去30年間で半分以下にまで減ったと推定されています。

インド、スリランカ、バングラデシュ、ネパール、タイ、ビルマ、ラオス、カンボジア、インドネシア、マレーシア、ブータンや、お隣の国中国にも生息しています。

誰でも、これらの国の経済成長を考えると当然、生息地が減っていることは簡単に想像できるでしょう。

国際的な保護については、前回触れた絶滅危惧種の取引を規制する、「ワシントン条約」の付属書I(取引禁止)に、アジアゾウはアフリカゾウよりずっと早く、1972年に記載されました。

つまりここ40年以上、アジアゾウの(その部分・「派生物」(象牙)を含む)を輸出・輸入することは禁止されています。

そして各国政府もゾウを保護する政策は持っています。

しかし前回書いたように、ゾウの密猟は世界各地で起こっています(ただ、アジアゾウはもともとの個体数が少ないため、件数はアフリカゾウが多くなります)。

それとは別に、現在では使役という役割はなくなったゾウは人間のエンターテイメントのために利用されていますが、そのために野性から捕獲されてきています。

「え?人間が育てているゾウから生まれたのではないの?」と思われている方が多いと思いますが、実は、動物園などでの人工的環境での繁殖は、一部の種を除くと通常は非常に難しいのです。

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Elephants in zoos breed poorly or not at all. (ゾウは動物園では繁殖が非常に難しいか、まったくできない)
スミソニアン保全生物学研究所
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理由は、例を挙げると適合する繁殖相手を見つけることの難しさ(ゾウのように大きな動物は特に)、自然のサイクルと違う環境での不安定なバイオリズム、など様々です。

なので、一般の人が「おりこうさんね」「かわいい」と見ているゾウ達は、ほとんどが野生で捕獲されたゾウだと言われています。

もし、明らかに抵抗するゾウに縄をつけたり柵に押し込めたりする場面を見ることができると思う人は、 "captured wild elephant" とグーグルで検索してみてください。

一般人が撮ったもの含め、捕獲の場面を移した動画がたくさんあります。

人間との衝突が原因の一つとも言われますが、特にアジアの新興国でのゾウの生息地はどんどん狭くなっています。

そして、その原因は、そうした国の労働力や資源を使っている私達先進国にもあるのです。




メモ用参考リンク:

http://www.bornfree.org.uk/campaigns/zoo-check/captive-wildlife-issues/elephants-in-captivity/

http://www.bornfree.org.uk/fileadmin/user_upload/files/reports/INNOCENT_PRISONER.pdf

https://nationalzoo.si.edu/SCBI/ReproductiveScience/ElephantBreedRepro/

アフリカのゾウ、アジアのゾウ

前回の記事では、「ゾウ」とひとくくりにしましたが、実はゾウにもいろいろな種類があります。

まずは、大きく分けるとアジアゾウとアフリカゾウがあり、前回の記事に書いていたことは、個体数含め主にアフリカゾウの話です。




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http://www.worldwildlife.org/species/asian-elephant より



アジアゾウは、アフリカゾウよりやや小さく、全体に丸みのある体つきと長めのシッポが特徴。

耳がアフリカゾウより小さいので、見分ける時は耳と丸いお尻ですぐにわかります。

ゾウの耳は、暑い時に体温を下げるのにパタパタするうちわの役割を果たしています。

また鼻でもちろん息をしますが、その他にも水を飲んだり、(「指」を使って)食べ物を取ったり、物をつかんだりする、便利な鼻です。

おもしろいのはアジアゾウの鼻(実際には鼻と上唇がくっついているもの)の先には、英語では「指」と呼ばれる突起が一つついていますが、アフリカゾウにはそれが上下二つあります。

アフリカゾウは、西部アフリカの森林にいるマルミミゾウを除くと、草原に生息しています。

なので比較的簡単に見ることができ、サファリツアーなどが人気です。

アジアゾウは、森林に生息していて、野性のアジアゾウを見られるかどうかは、運しだい。

私は以前タイで会議の後、比較的よく見られると教えてもらった保護地区まで電車と車で1日かけて行きましたが、一頭だけ、しかも200メートルくらい先の「お尻」だけが見えました。

前日は川でたくさん水浴びしていたそうで、とても残念でしたが、ゾウのいる森林にいるということだけで、素晴らしい体験でした。



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knysnaelephantpark.co.za より



ナショナルジオグラフィックによると、アフリカゾウは大きいゾウでだいたい肩までの高さ3メートル、体重5トンという、まさにアジア大陸で最大の生物。

そして陸上最大の生物アフリカゾウは、大きいゾウでだいたい肩までの高さ4メートル、体重は6.3トン。

よく考えてみたら、地球が誕生した46億年前、生き物は全く存在していなかったところから、藻のような生物から始まり、こんなに大きな生き物が今この地球にいるのは、よく考えてみると不思議で驚くべきことだと思います。

そして、様々説はありますが、現在いるゾウの原型が誕生したのは700万年前とも言われ、それ以前にもともとの原型であった動物モエリテリウムは、3300-3700万年前に現れたと考えられています。

そして、(区切りが難しいですが)人類が誕生したのは、ゾウより200万年も遅れて500万年前とも言われています。

そして今、前回も書いたように、新参者の私たちがゾウの未来を握っています。

種としての存続と、個体としての福祉、両方においてです。

続きます。



メモ用参考リンク:

http://animals.nationalgeographic.com/animals/mammals/african-elephant/

http://animals.nationalgeographic.com/animals/mammals/asian-elephant/

http://news.nationalgeographic.com/news/2014/08/140818-elephants-africa-poaching-cites-census/

http://www.wwf.or.jp/activities/2012/01/1041526.html

http://wwf.panda.org/what_we_do/endangered_species/elephants/asian_elephants/

http://www.wwf.or.jp/activities/2012/01/1041326.html

http://www.ifaw.org/sites/default/files/protecting_elephants_us.pdf

http://www.livescience.com/18581-fossil-footprints-oldest-elephant-herd.html

ゾウの密猟

今、私が気になっていることの一つが、ゾウの密猟と個体数です。


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↑ 「アフリカと神戸俊平の会」の、神戸俊平氏のFB写真より。



生息地の圧倒的な減少と、密猟による殺戮で、20世紀初頭には3-5百万頭も推測されるアフリカゾウは、(WWFによると)今、47万頭までに減っていると推定されています。

人間による密猟は、なんと個体数の8%にのぼるという数値があり、1日96頭ものゾウが殺されているのです。

このままいくと確実に絶滅してしまうでしょう。



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AVAAZ上の署名を求めるサイトより




私がイギリスのNGOに入って一番最初に担当した仕事が、ゾウの保護キャンペーン。

というと、アフリカに行ってサバンナをジープで移動、というようなことを想像されがちですが...

そちらではなく、「あるもの」を持っているが故に殺されてしまうゾウを保護するには、その「あるもの」への需要をなくそう、という活動。

国際会議や各国の方針について研究し、意見を述べるという仕事と、その「あるもの」がどのくらい市場に出ていて規制がきちんと行われているか、を調査するという仕事でした。

その「あるもの」とは、象牙。ゾウにとっては地下水を掘ったり移動中のしげみを除去するのに絶対必要な牙です。



「象牙と言えば昔はお箸とかハンコがあったね」という日本人は多いのですが、今でも日本で販売されています。

「象牙は禁止になったのではなかったの?!」という方もこれまた多いのですが、禁止になっていません。

今度、ハンコを買う時に「ちなみに象牙はありますか?」と聞いてみてください。

あります。

でも、国際条約ではゾウや象牙の貿易は禁止されています。



国際条約の方から見ていくと、「絶滅の恐れのある動植物の種の国際取引に関する条約」というものがあります。

日本では、ワシントン条約という名前でよく知られます。

英語では正式名称 Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora の頭文字を取り、CITES と呼ばれます。

この条約で、1989年、ゾウは取引が禁止されている「付属書I」に入りました。

仕組みとしてこの条約では基本、ゾウであればその「部分」や「派生物」も対象となります。

なので、トロフィーハンティングでよくあるゾウの足(装飾的なスツールにされます)や、この象牙も、取引は禁止されています。


なのにどうしてヤフオクで象牙を売ることができるのか、というと、日本政府は象牙の国内市場を禁止にしていないからです。

許可されて入ってきたときの「在庫」であれば合法、としています。


象牙の大手市場と言えば、90年代ごろまでは日本がナンバーワン、現在は中国ですが、日本の他、アメリカやベトナムなど東南アジア諸国でも、まだまだ市場があります。

アメリカではオバマ大統領が2014年2月に国内での象牙の売買を完全に禁止すると発表。

そしてオバマ大統領は中国政府にも働きかけ、昨年、ついに中国も将来的に禁止の方向で措置を取るということを共同発表しました。

実際には米国でもまだ禁止措置がスムーズに導入されないようですが、こうしたことに強いコミットメントを示してくれるリーダー、うらやましい限りです。

ちなみにオバマ大統領は歴代の大統領の中で一番、保護地区をたくさん指定したそう。

(とは言えそのうち、あの不思議な髪型をした人が大統領になってしまうのでしょうか...)

そして我が日本では、そのような動きは全く見られません。

「美しいニッポン」「おもてなしの国」であるはずの国なのに(これはもちろん皮肉です)。



なぜ象牙のことが気になるかと言えば、これは、明らかに人間の必要最低限の欲求とは関係のないコモディティーだからです。

象牙がなくても人間はまったく困りませんが、象牙を取るためには殺されなければならないゾウは、生きていけません。

それでも、「業界配慮」というのはそんなに重要なのでしょうか?

アフリカでの密猟は、日本や中国の市場が支えている、このことを、知らない人が多すぎると思います。

Say No to ivory.

「じゃあ何をしたらよいの?」という方、ハンコ屋さんに行って「まだ象牙なんて売ってたんですか?ゾウって絶滅が心配されていますよね?」というようなリアクションをするだけでも、象牙を売ることは好印象ではない、という地道なメッセージを送ることはできます。

実は消費者の力が一番パワフルなのです。

そういう時間がない方は、こちらの署名があります:https://secure.avaaz.org/jp/yahoo_ivory_loc_/?pv=272&rc=fb

身近にできること、意外にあります。



(自分のメモ用)参考サイト:

https://www.cites.org/eng/resources/publications.php

http://wwf.panda.org/what_we_do/endangered_species/elephants/african_elephants/

http://www.awf.org/wildlife-conservation/elephant

http://www.livescience.com/54075-doodling-your-password-safer-than-text-on-mobile-video.html

http://www.onearth.org/earthwire/ivory-ban-new-york

welcome!

「最後のしっぽ」へようこそ。

ここは、この地球に住む他の生きもののため、作った場所です。



私は20年来、ずっと自然保護や動物福祉に関わる仕事をしてきました。

自然保護といってもいろいろです。

アフリカの奥地に行って傷ついた野生動物を保護し野生に返すのもそうですし、毎日の生活の中で同じ地球に暮らす生きものたちに想いを馳せながらひとつひとつの行動を選択していくのもそう。

ただ、この大きなテーマ、勉強してもしきれないことがばかり。

これを生業にはしているものの、「本当に私のような無知な者がこういうことしてていいのかな?」と日々思っています。

特に今の時代、環境問題は誰もが取り組んでいるテーマであり、人間の外側は全部「環境」なのですから、情報があふれかえる中、とまどいを感じる方も多いのではないかと思います。



環境問題は、非常にざっくり分けると自然保護(生物多様性の保全)と気候変動という二つの軸があります。

この二つはもちろん、つながっています。

例えば、地球の温度が上昇すると絶滅する生き物が出る、というように。



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ヒグマ@ Alaska



このブログでは、こちらの、「生き物」にまつわることを広く見ていきます。

生き物が歴史上ないスピードで進んでいて、1日に100種が絶滅とも言われています。

地球の環境を大きく改変する力を持つ人間のライフスタイルや自然破壊、そしてそれに由来する気候変動も数ある理由の中の一つです。

人間の自然に対する考え方、自然の取り扱い方は、人間の動物に対する考え方や動物の取り扱い方に大きく由来する、と、学問的には考えられています。

こうしたことを考えていく場所です。

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